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ヒトラー
アドルフ・ヒトラーは、1889年、オーストリアに生を受けた。ドイツに移住したヒトラーは、1914年に始まった第一次世界大戦に志願して参戦。そして、1920年、ヒトラーは国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)を立党、翌年にはその党首となる。ナチス支配下のドイツでは、議会政治は排除され、ナチス以外の政党や労働組合は解散、反ナチス派は粛清されるという、史上まれな独裁体制だったが、批判は少なかった。これは、第一次大戦後に比べ、失業者が減少し、通貨も安定して生活が向上していたためだ。そして、熱狂的な演説や、党大会、ベルリン・オリンピックでの大規模な視覚・聴覚効果によって、国民は興奮と陶酔の渦に誘い込まれていく。ナチスの思想は、やがて他国への侵略や強制収容所での虐殺、生体実験へとつながっていくが、国民たちはその事実を知りつつも自分とは無関係と見なし、外交上の成果を期待していたのだ。
戦況はスターリングラードの攻防で一変。愛人とともに自殺したヒトラー。
1939年9月1日、ドイツのポーランド侵攻により第二次世界大戦が勃発。翌年6月にフランスを征服したドイツは、イギリスを空襲。上陸を果たせなかったため、41年6月には反転して独ソ戦に突入。さらに対米宣戦して戦線を拡大するが、42年8月に始まったスターリングラードの攻防で敗走する。これによりナチスドイツの敗北が決定的となり、45年4月30日に大本営の防空壕の中で、愛人エヴァ・ブラウンとともに自殺した。