歴史に名を残した英雄と戦乱

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マルコ・ポーロ

マルコ・ポーロの父ニッコロは、叔父マッテオとともに、イル・ハンの使臣に誘われて元の朝廷へ赴き、宣教師派遣を求めるローマ教皇への親書を託された。この時16歳だったマルコは、父・叔父とともに、2人の宣教師を元に送る特使として東方へ旅立つ。1270年、ポーロ家の3人と宣教師一行は元へと向かった。途中、アルメニアの戦乱にあい、2人の宣教師は逃げてしまうが、フビライに頼まれた聖油と教皇からの手紙を持って、ポーロ家の3人は元へ向けて旅を続ける。二度病に倒れながらも、三年半の後、内モンゴル、ドロン・ノールに位置する元の夏の都、上都に辿りついた。困難な使命を果たしたマルコは、フビライの計らいによって元の役人となり、以後17年間を中国で過ごす。その間、マルコは揚州地方の総督に任じられ、雲南やチャンパなど中国11省を旅したが、この時見聞きしたことをまとめたのが、「世界の叙述(東方見聞録)」である。

“ほら吹きポーロ”マルコの話が真に理解されたのは、200年後のこと

1295年、ポーロ家の3人は26年ぶりに故郷ヴェネツィアへ帰る。珍しい体験を語って有名になったマルコだが、やがて誰も彼の話を信用しなくなる。そんな中、ヴェネツィアとジェノヴァの戦争が起き、これに参戦していたマルコは、破れてジェノヴァの捕虜となる。この時、同室の囚人だった物語作家に語った東方旅行の体験談が、後に「東方見聞録」となる。マルコの話が真実だと理解されたのは、それから約200年後のこと。

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