歴史に名を残した英雄と戦乱

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フランシスコ・ザビエル

1506年、ピレネー山脈の南側、ナバラ県の名門に生まれたフランシスコ・ザビエルは、カスティーリャ軍の占領によって、一家離散の目に遭う。その後、19歳で当時の学問の最高水準にあったパリ大学に入学したザビエルは、聖職者としての道を目指すこととなる。ザビエルの運命を大きく変えたのは、元カスティーリャ側の軍人で、重傷を負ったために宗教家の道を目指すことになった、イグナティウス・ロヨラとの出会い。彼の繰り返すマタイ福音書の聖句に心を打たれたザビエルは、ロヨラの門弟となり、1534年に創設されたイエズス会の同志となった。当時のポルトガルはアジアでの植民事業を展開していたが、東インドの布教にイエズス会を登用し、ザビエルはその教皇使節に抜擢された。1541年4月7日、リスボンを出発したザビエルは、「インドの使徒」となって布教活動を繰り広げる。そして、1549年、日本での布教活動を開始した。

奇跡を起こすザビエルの遺骸

病死したザビエルの遺体は石灰の入った棺でインドのゴアへ運ばれ、聖パウロ学院に祀られた。しかし、まるで生きているかのような遺体はなぜか腐らない。まず、熱心な信者の一人が右足の小指と薬指を噛み千切り、持ち去った。さらに死後50年以上経った1614年、右腕と内臓がイエズス会本部へと送られる。送られた遺骸の一部は、ヨーロッパ中の教会や信者に分け与えられた。現在、ザビエルの遺骸はゴアの天主堂にある。

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